- 2021/09/07
この動画は、
評論家の岡田斗司夫氏の分析を交えながら、
「冨樫義博先生は最高傑作である
キメラ=アント編を書き上げて
燃え尽きてしまったのではないか」
という仮説と、
現在進行中の
「暗黒大陸編(王位継承戦)」
がそれを超えられる可能性について
多角的に考察した動画です。
1. キメラ=アント(蟻)編が残した「異常な完成度」とメッセージ性
単行本18巻から30巻にかけて描かれたキメラ=アント編は、
これまでの
「ヨークシン編」や
「グリードアイランド編」の面白さを維持しつつ、
少年漫画の枠を遥かに超えた
高いメッセージ性と文学性を内包していました。
強烈な皮肉の構造
絶対的な暴力を振るい、
人間を餌(家畜)としか見ていなかった
最強の王・メルエムが、
最終的に戦いをやめるきっかけとなったのが、
念能力すら使えない
盲目の一般の少女・コムギであったという結末の対比。
「愛・好き」という言葉を使わない極上の恋愛描写
岡田斗司夫氏の解説によると、
メルエムとコムギの関係は
「人を好きになるという
抽象概念を知らない
人外の生き物(王)が、
真の愛に目覚めた瞬間」
を描ききっています。
2人は作中で最期の瞬間まで
「愛している」
「好き」という直接的な言葉を一言も発しません。
代わりに軍議の専門用語や
「(最期に)お供させてください」
という独自のセリフ回しだけで、
極めて繊細で深い精神的結びつきを表現しました。
### 2. 過去の傑作に縛られる作家のプレッシャー(燃え尽き症候群)
あまりにもキメラ=アント編の
完成度が高すぎたために、
冨樫先生自身に
「あれ以上のストーリーは描けないのではないか」
という巨大なプレッシャーがかかっている、
あるいは燃え尽きてしまったのではないかという
懸念が語られています。
読者の反応のギャップ
蟻編の後に続く
「会長選挙編」や、
現在進行中の
「王位継承戦」は
文字量や複雑さが増しているものの、
「蟻編の時ほどの感動や面白さを超えている」
と感じる読者は
全体的に少ない印象があると指摘されています。
3. 反論:キメラ=アント編すら「暗黒大陸編への壮大な布石」に過ぎない説
しかし、
動画主は
「暗黒大陸編は確実にキメラ=アント編を超えられる」
という
前向きな結論を導き出しています。
その根拠は、
物語の初期から緻密に張られていた
伏線のスケールにあります。
初期からの匂わせ
ゴンとキルアが初めて見た
ジンのメッセージビデオの背景や、
ジンの居場所(世界樹の上ではなく、
さらに外側にある世界の景色)など、
物語の初期から
「人間界の外側」の存在が仄めかされていました。
蟻は外来種に過ぎない
あれほど人間界を絶望に陥れた
「キメラ=アント」という生物自体、
もともとは暗黒大陸から漂流してきた
一介の昆虫(外来種)に過ぎません。
真のハンターの醍醐味
暗黒大陸には、
キメラ=アント(危険度B)よりも
遥かに危険度の高い
「五大厄災」
(ゾバエ病、ガス生命体アイなど、危険度Aランク)
が少なくとも5つ存在しています。
「未知への探求」という
ハンター本来の醍醐味を
最も体現しているのが
この暗黒大陸であり、
冨樫先生が本当に一番描きたかった
本命のエピソードこそが、
この暗黒大陸編であると考えられます。
【総括】
キメラ=アント編という
少年漫画の金字塔を打ち立ててしまったがゆえの
「燃え尽き」や
「遅筆・休載」が心配される冨樫先生ですが、
現在描かれている
カキン帝国のマフィア抗争や王位継承戦、
そしてその先に待つ暗黒大陸の設定は
極めて重厚に作り込まれています。
先生の体調が回復し、
物語の本質である
「外の世界(暗黒大陸)」の攻略が本格化すれば、
蟻編をも凌駕する
前人未到の面白さを提供してくれるはずだ、
という期待を込めて
考察が締めくくられています。