- 2023/05/07
海外のアニメ・漫画ファン
(特に批評的・知的なインテリ層)において、
『HUNTER×HUNTER』が
単なる人気少年漫画を超えて
「少年漫画の皮を被った哲学書」
「冨樫義博は漫画家であり哲学者」
と崇拝される理由を、
海外の批評フォーラムや
Redditでの議論・反応をもとに
3つのポイントから徹底考察した動画です。
理由1:史上最高のパワーシステム「念」と等価交換の哲学
何を得るかではなく「何を犠牲にしたか」
多くの少年漫画
(例:ドラゴンボール)
が力量のインフレ
(どれだけ強いか)を描くのに対し、
『HUNTER×HUNTER』は
「能力を得るために何を犠牲にしたか(制約と誓約)」
という厳格な等価交換と自己犠牲を課す。
古典悲劇としての「クラピカの制約」
『鎖野郎(チェーンジェール)』の命を懸けた制約や、
『絶対時間(エンペラータイム)』での
寿命の消費(1秒=1時間)は、
シェイクスピアやギリシャ悲劇における
「己の過去(復讐)に
未来(寿命)を蝕まれる悲劇の主人公」
そのものと解釈される。
心のレントゲン(心理描写のツール)
念能力はキャラクター自らが
デザイン・選択するものであり、
ヒソカの『バンジーガム』(粘着と変態性)や
クラピカの『鎖』(束縛と復讐)のように
内面や心理を鏡のように映し出す。
理由2:少年漫画のお約束の解体と主人公ゴンの「闇落ち(アンチヒーロー化)」
ヒーロー像の崩壊
「主人公は根底に正義や倫理観を持つ」
という
少年漫画の暗黙の了解を裏切り、
ゴンはカイトの復讐のため
無関係なコムギ(人質)の命を盾にして
ネフェルピトーを脅迫する。
ご都合主義を拒否するリアリズム
ゴン=フリークスという
純粋な少年が
トラウマと力に直面した際の
心理的リアリズムを追及した結果、
怪物(アンチヒーロー)化。
「ゴンさん」化と資格の剥奪
「もうこれで終わってもいい」
と
未来の才能・全寿命を捧げた強制成長は、
単純なパワーアップではなく
自傷・自己破壊と虚無の産物。
力と引き換えに
主人公の資格・念能力を奪われる
過酷な結末が誠実だと評価される。
3. 「人間とは何か」を問うキメラ=アント編の文学性・悪意の哲学
怪物の「人間化」と人間の「怪物化」
王メルエムが軍儀(コムギ)を通して
愛や存在意義に目覚める
「成長物語」と、
主人公ゴンが憎悪によって
人間性を捨てていく
「堕落物語」を対照的に描写。
悪意の無限の進化(ミニチュアローズ)
メルエムを倒したのは
個人の武力ではなく、
人類の科学技術・大量破壊兵器。
核兵器のメタファーである「貧者のバラ」
ネテロが発した
「人間の底すら見えない悪意(進化)」により、
怪物以上の恐怖として
「人類の悪意・エゴ」を突きつける。
道徳的グレーゾーン(幻影旅団)
拷問・残虐行為を行う悪党でありながら、
故郷(流星街)や仲間を
心から愛する二面性を通じ、
単純な善悪二元論を超えた
人間の矛盾を提示。
海外ファンの主なコメント・反応(抜粋)
キメラ=アント編の最後
(メルエムとコムギの軍儀・最期)
はガチ泣きした。
ゴンがピトーと対峙した時の変貌は
子供向けアニメの領域を超えていて
トラウマレベル。
「休載×休載(Hiatus x Hiatus)」は公式ファンダム。
富樫先生が描いてくれるだけで感謝。
念のシステムは
バトル漫画史上最も洗練されており、
破綻していない。
メルエムは最初はただの怪物だったのに、
最終的には誰よりも
人間味に溢れるキャラになった。