「幽☆遊☆白書」という漫画戦史

漫画家・山田玲司氏が、
同世代の漫画家としての視点
(同時代感・連載現場の空気)から
『幽☆遊☆白書』と
作者・冨樫義博先生を
徹底分析する
「冨樫義博研究」
の第1弾動画です。

ゲストに実演販売士で
ジャンプ漫画ガチ勢のジャンプ中沢氏を迎え、
バブル崩壊という時代の変化、
週刊少年ジャンプの
「ランキング地獄(アンケート順位戦争)」
そして冨樫先生の表現・デザインの変遷について語り合っています。

1. 時代(バブル崩壊)と連載の同期

明るいラブコメから闇落ち(ダーク展開)へ

連載開始時(1990年)は
バブル景気の絶頂期であり、
明るい人情ラブコメ
(霊界探偵短編)
としてスタート。

バブル崩壊とともに
作品のトーンも重厚・暗黒化
(戸愚呂編、仙水編の「魔界の扉」)
していき、
時代の閉塞感や
日本社会の変容と
作品の展開が強くリンクしていた。

『美少女戦士セーラームーン』との親和性

同時期に連載・展開された
武内直子先生の『セーラームーン』とも、
主人公(うさぎ/幽助)の
圧倒的自己肯定感から始まり、
世界観が次第にシリアス・暗黒化していく構造が
共通していると分析。

2. 週刊少年ジャンプの「ランキング地獄」と対戦フォーマット

天下一武道会フォーマットと数値化

当時のジャンプは
『ドラゴンボール』や
『スラムダンク』など
歴史的名作がひしめく超絶戦国時代。

冨樫先生もその中で生き残るため、
作品初期の流行り
ラブコメ『てんで性悪キューピッド』からの転換、
ヤンキー文化、
ドラゴンボール的バトル構造や能力数値化、
B級妖怪等の格付け、
を貪欲に取り入れ進化していった。

「自己肯定感」の幽助と「闇」の仙水

主人公・浦飯幽助の
「自己肯定感100%」のキャラクター性と、
対極に位置する
仙水忍の苦悩・闇落ちは、
当時の若者・作家自身の葛藤や
時代の対比として描かれた
重要軸であると語られています。

3. 冨樫義博先生の画風・ビジュアル表現の変遷

90年代特有の「鼻の下が短い」作画美学

90年代前半のアニメ・漫画
(大友克洋、江川達也、貞本義行、徳弘正也など)
に見られる
「鼻の下が短い/顎がシャープ」な作画様式と、
後年の『HUNTER×HUNTER』に繋がる
密度の高いハッチング(斜線描写)や
シャープな目のデザインの原点が
『幽☆遊☆白書』後半(仙水編〜)
で確立されていった。

ミクスチャーカルチャー(オタク第2世代)

冨樫先生は
ゲーム(ドラクエ、テトリス等)や
映画、
流行のカルチャーを
作品に自然に混ぜ込む
「ミクスチャー(オタク第2世代)」
の先駆者であり、
バトルシステムや
ルールの構築そのものを楽しむ
作家であると評価されています。

 

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